イベント・ブログイベント・ブログ

2020.10.22インタビュー

Webデザインがこれまでのクリエイター人生を回収!?日本とフランスで活躍するフリーランサー

 
こんにちは、スタッフのわたやんです!
STUDIO京都には未経験からクリエイターを目指す方が沢山いらっしゃいますが、最近はデザイン経験者の方も増えつつあります。新型コロナウィルスの影響で社会全体のオンライン化が進むなか、デザインを見せる(活かす)場所として“Web”を求められるケースが増えているようですね。
 
そこで今回は、玩具デザイナーおよびグラフィックデザイナーとして活動する卒業生、カスナヴペレ 沙弥香さんにインタビューしてまいりました!彼女がWebデザインに触れるきっかけや、デザイナーとしての今後の展望など、じっくり語っていただきました。
 
[Profile]
カスナヴペレ 沙弥香 さん
美術大学卒業後、大手玩具メーカーへ就職。その後、グラフィック業界やWeb業界を経て、現在はフリーランスとしてフランスと日本で活動を行う。2018年12月にデジタルハリウッドSTUDIO京都へ入学、webデザイナー専攻グラフィックデザイン経験者プラン修了

ルーツは美術大学に入ったところ

これまでの経歴について、簡単に教えてください。
子供の頃から絵を描くのが好きで、美術大学に入学しコンセプトデザインを勉強しました。大学時代に玩具メーカーの企画開発チームでアルバイトしはじめ、その繋がりで卒業後に玩具メーカーに就職しました。その後は、グラフィック業界やWeb業界を経て、現在はフリーランスとして働いています。主に、グラフィックデザインや玩具のデザインをしています。
 
玩具やグラフィックデザイン、すごく多様ですね!大学卒業後に、玩具業界に入ったのはなぜですか?
単純に玩具が好きだからっていう理由です。就職先は主に知育玩具を取り扱う会社でしたが、ライセンスキャラクターの企画開発に携わり、商品開発の進行管理からパッケージデザインまで何でもやらせてもらいました。海外の工場で自分の作った仕様書を見ながら、いろいろな人が携わり商品が作られていく様子を直に見れたのもとても大きな経験でした。
 
玩具業界から、グラフィック業界へ転職するきっかけは何だったのですか?
玩具メーカーにいた頃は外注先の方と力を合わせながら、とにかく何でもやらないといけなかったのですが、その頃は完璧主義というか全ての仕事に全力投球したい気持ちが強くて、今思えば、逆に全部に対して散漫になっていた気がします。そのうち特にグラフィックに力を注ぎたいと思うようになり..。
 
当時の私は、デザインはできるけどグラフィックデザイナーですというには自信と経験が足りませんでした。プロと言うにはツメが甘いと思い、尚更ちゃんと経験しなきゃいけないと思ってグラフィックの世界へ飛び込みました。グラフィック業界は激務っていうイメージがあるから本当は嫌だったんですけど(笑)これまでの経験も活かせるように玩具業界のパッケージデザインをしているデザイン事務所に入りました。入ってみると案の定めちゃくちゃ忙しくて、まだ体力がある若い時だからギリギリなんとかなったように思います。
 
ここでもライセンスキャラクターのデザインを主にやっていたのですが、コンペティションに勝つことで大きな仕事が入ってきて、大変ながらもやりがいがありました。クライアントが新しい自由なアイデアを良しとしてくれる会社だったので、デザインしていてとても楽しかったです。ゼロからグラフィックを作っていくときの発想の仕方や、完成度の上げ方などを現場で覚えていき、小規模ですがディレクションも経験しました。勇気を出して飛び込んで良かったです。けど体力的には本当に辛かった…(笑)
 

卒業生インタビュー カスナヴペレ沙弥香さん

 

カナダにワーホリ、からのWeb業界へ転職

グラフィック業界時代、忙しすぎて体調を崩されたとか?
当時は全力でやり過ぎると後が無いってことを知らなくて、燃え尽きるほど仕事をしていました。力を抜くことを覚えないといけなかったんですけど、まだ上手くできなくて、体調を崩してしまいました。疲れ過ぎた時や煮詰まっている時は残業しないで帰って寝て、次の日にやった方が早く解決する(そして健康的)っていうことを分かっていませんでした。
 
その後、退職されたのですか?
デザイン事務所で働いていた当時20代後半だったので、このまま30歳になっていいのだろうかという漠然とした焦りがありました。もともと海外が気になっていてダメ元でカナダのワーキングホリデービザに応募したら通ったので、仕事を辞め、今のうちにと思って1年間行きました。ワーキングホリデー自体はとても楽しかったのですが、デザインには全くつながらず、完全にホリデーしていました。
 
カナダから帰国後はしばらく仕事を探していて、そこでイラストレーターの求人を見つけました。好きなデザインのテイストだったので、この仕事をやってみたい!と思って応募したら、その会社がたまたまWeb業界だったんです。今までは紙系のCMYKのデザインでしたが、ここでようやくRGBの世界に入りました。
 
Web業界へ転職後は、具体的にどんな仕事をされていましたか?
初めはWebサービスの開発にイラストレーターとして参加しました。イラストを描いて簡単なアニメーションをつけるのですが、自分の描いた絵を初めて自分で動かせた時は本当に感動しました。未経験であっても何でも挑戦させてくれる会社だったので、徐々に大きいプロジェクトにアサインしてもらい、イラストチームのディレクションをするようになりました。そのうちベテランの先輩の下についてUIデザインを少しずつ覚えていき、既存サービスを引き継いだのち、新サービスの立ち上げを経験させてもらいました。
 
その当時のWebの知識はどれくらいですか?
当時は全くコーディングができませんでした。なんとなく仕様はわかるけど…。コードを書けなくても困りはしない。完全分業だったので、私(デザイナー)はデザインをして、あとはフロントエンジニアさんがササッと実装してくれる。そういう環境に甘んじて努力しようとしていませんでした。でも新卒で入社する子たちは普通にコーディングができるんですよ。私は上司だったので偉そうにデザインチェックをするけど、その子たちはコーディングができて私はできないっていう、すごい恥ずかしい状態だったんです。
 
その状態でスマホゲームの立ち上げなんかもしていたので、新しいことをするための知識も得ないといけないのに、ベースの知識も足りない。知識量が圧倒的に足りなかったんです。チームのみんな、特にエンジニアさんにどれだけ助けられてたのか…今ならそのありがたみが分りすぎて申し訳ないくらい。
 

卒業生インタビュー カスナヴペレ沙弥香さん

 

フリーランスへの転身

現在はフリーランスとして活動されていますが、どんな風に独立されたのですか?
フランス人の夫との結婚を機にフランスに引っ越すことになりました。フランス語が全く喋れなかったのでしばらく語学学校に通い、仕事はセーブしていましたが、そのうちデザインがしたくなって知り合いに声をかけて仕事をもらうようになりました。これまでの仕事の繋がりからお仕事をもらうので、イラストを描いてアニメーションつけるものや、キャラクターデザインなど、経験を活かしながら別のテイストで挑戦することも増えて、自分が出せるテイストのバリエーションが広がったように思います。
 

フリーランスになり仕事も順調。なぜスクールへ入学したのか?

フリーランスになり、仕事も順調。なぜ改めてスクールへ入学したのですか?
フランスへ行ってから、夢を追う人たちに出会ったのがきっかけです。パン屋を開店したい、ネイリストになりたい、フレンチシェフとして独立したい…など色々な人がいて、お店の立ち上げのためにロゴデザインが欲しい、ホームページが欲しい…といった風にデザインを必要とされていました。でも、そういう方たちの業界はデザインに全く関係がないから、頼みたくても頼める人がいないんですよ。
 
そこで、私がデザイナーだと分かると「いつか頼みたい」と言われるようになったんです。ロゴやショップカードなど印刷物ならできるのですが、必ずWebサイトも依頼されてしまう。その度にWebはできないんだよねぇ、、と言っていましたがあまりに同じパターンが続いたので、だんだんそう言ってるのが嫌になってきて。こんなに言われるならWebデザインは絶対やらなきゃいけないなと思ったんです。
 
フランスで学校を探していましたが、大学のようなところが多く、学費も高くて、独学も苦手だしどうしたものか…と思っていました。そんな中、夫が日本に数年出向になったので、これはチャンス!と思い、帰国してデジハリに入学しました。
 

Webデザインがこれまでのクリエイター人生を回収!?

様々なデザイン業界を経験して、巡り巡ってWebデザインという感じですね。
卒業制作を通して、今の自分にできることを詰め込めたので達成感がありました。イラストを描いてアニメーションを入れたり、多言語のサイトにしたことで、これまでバラバラに経験してきたことがまるっと回収できた気がします。遠回りも無駄じゃなかったなぁと。今ならエンジニアさんたちが言っていたことも意味がわかります。そして自分がどれだけ意味が分からないことを言っていたのかも(笑)卒業制作で作ったポートフォリオサイトから仕事が来たら、シャンパン開けなきゃと思ってます!


カスナヴペレ沙弥香さん ポートフォリオ
カスナヴペレ沙弥香さん ポートフォリオ

▲卒業制作として作られたポートフォリオサイト。多言語化に対応し、Topページでフランス語・英語・日本語の切り替えができます!


 
今後のデザイナーとしての展望を教えてください。
そうですね。街の電気屋さんみたいなデザイナーになりたいです。ちょっと分かりにくいかもしれないですが、その街でデザインが必要になった時に、とりあえず相談しとこ!って思われる存在です。
 
世の中には既にいろいろなデザインが溢れかえっていて飽和状態なところもあるんですが、私がフランスで出会った人たちのように、デザインを必要としているけれど、どうしたら良いのかわからない人や場所がまだまだたくさんあるんだなと感じます。そういう方たちのアイデアを具現化する手助けを、デザインでできたらいいなぁと思っています。
 

卒業生インタビュー カスナヴペレ沙弥香さん

 

デザインを学ぶ皆さんへ

これからデザインを学ぶ皆さんへ、最後に一言お願いします。
クリエイターを長くやってきて感じるのですが、デザインの仕事はコストとクオリティのバランスが大事だと思います。これまで、私はどんな仕事にも全力になりすぎちゃって、力を抜くことができませんでした。80%の力を求められているのにそれ以上やり過ぎても、場合によっては不必要で、評価されないこともある。そのやり過ぎた分は、「仕事に対してこれくらいのクオリティを出したいんだ!」という、大事にしたいプライドというか、自己満足の部分です。毎回それをやっているとバテてしまうので、本当に100%の力を求められたときに全力投球できるよう、抑えるべき時の力の抜き方もうまくやらないといけないなぁと思います。
今後は、フリーランスになってから出会った友人たち、デザインを必要としている人たちの夢を少しでも手伝えたら嬉しいです。
 

Webクリエイターに求められるスキルとは

いかがでしたでしょうか?
様々な業界で経験を積み、Web分野でスキルアップされる過程や、デザイナーとしての思いをお話しいただきました。クリエイターとして、良いデザインやクリエイティブを生み出すことと同じくらい、お仕事としてのクオリティバランスが重要になるのですね。どんな職種でも、がむしゃらに頑張ることより、力を抜くことが一番難しい気がします(泣)
 
また、Webクリエイターの場合は、時代や技術の変化に合わせて自分をバージョンアップし続けることも大事なのかもしれません。デジタルハリウッドSTUDIO京都では、Web・動画分野における実践スキルを学べます!カリキュラムやコース内容について、詳しく知りたい方はお気軽にお問い合わせください。
 
>> STUDIO京都の見学&説明会へ参加する
 

さいごに

 

卒業生インタビュー カスナヴペレ沙弥香さん

 
今回、インタビューにご協力くださった沙弥香さんには、本記事の編集までお手伝いただきました。本当にありがとうございました!

インタビュー時点ではコロナが拡大する前だったこともあり、ゆっくりお話しできて楽しかったです!またこんな風に、自由に(いろいろ気にせずに)お話しできる日が早く来てほしいなぁと願っております。
 
 

▼そのほかの卒業生インタビュー

 
 

テキストエディット:わたやん